ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
非番でもなぜか赤い騎士服を纏うアイザックは、ざわつく背後をふり返らずに歩いていく。


(犯人捜しってやつかな?まさかの俺を疑っちゃった?全くセンスないなぁルーカス様は!)


雇われた日に、アイザックはルーカスの目的を聞いている。


『一年以内にレイラに危険が及ぶ。犯人に目星はついていないが、レイラを一年守り切れば、成功報酬に一生暮らせる金を用意しよう』


そうやって破格の値段で雇われたのだ。アイザックが欲しいのは金だ。普通に金。


(俺の目的ってあからさまだから、見当違いもいいところってわかると思うんだけどね。あのポンコツ二人は何やっても的外れだなホント……手がかかる)


アイザックは大ため息をついて、アテもなくてくてく歩く。


(最近、治安悪いのに、レイラ様、外歩いて大丈夫かな?ルーカス様、さすがそこは任せますよ?)


普段ならそのへんの女の子を引っかけてお家にお邪魔してにゃんにゃんさせてもらうところだが、雇い主にそういうところを見せるのもどうかとコミュ強は思う。


(まあ良い雇い主だしね。協力してあげますか)


ルーカスがエスコートで手を引いていても、レイラは貴族的なのっそりした歩き方しかできない。アイザックはレイラのためにゆっくり歩いてあげた。コミュ強は基本、良い人成分でできている。

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