ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
アイザックがのっそり歩いて行く後ろから、市民風のルーカスと街中でがっつり浮いているレイラが歩いて行く。


視線にさらされることに慣れ切っているレイラは、ルーカスと街中を歩けるだけでウキウキが弾けていた。


(ルーカス様と街を歩くなんて初めてですわ!もう、犯人に感謝すらします!)


彫刻もビックリの表情筋オフであるが、レイラは尾行お散歩に浮かれていた。


(レイラと、手を、手を繋いで、歩いている事実……繰り返し生きてきて良かった、本当に良かった)


ルーカスがエスコートを越えた力でぎゅっと手を握ると、レイラは嬉しくてにこにこした。現実には真顔だ。同じく真顔なのは前を歩くアイザックである。


(二人の会話がなーんも聞こえてこないけど、話くらいすればいいのに歯がゆいったらない)


アイザックなんて秒で恋して、秒で捨てる暮らしをしている。数か月の間、彼らを見ただけだが、アイザックの感想を端的に言えば、あの二人マジ異常である。


両想いがどうすればあんなに伝わらないのか、コミュ強には逆にわからない。
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