ただ愛おしく。


高校三年生、将来に悩み暮れ、絶望の道か、快楽と笑顔が待つ未来になるのかを選択を迫られる時。




窓の外は霧雨が降り注ぎ、校庭の砂を泥化させた。


頬杖をつきながら横目に外を眺めていると


「こら宮島、授業に集中しろ」


教科書の裏でポンっと頭を叩かれた。


「あっ、すいません」





ノートに向かっていない生徒以外は、僕の方を見ている。


じっと、じっと。



恥ずかしがる様に下を向いて、唇を引っ込めた僕は目を泳がせた。



暑い。



< 2 / 4 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop