麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑧/発熱の果実たち、迷宮へ…!
龍虎、第2章へ…/その15
ケイコ
「とにかく今の都県境の少女たちはさ、南玉に旗を振られることだけでは、もう収まらなくなってたよ。でも今回、その猛る少女たちの受け皿は南玉ではなく、主にその南玉から弾かれた連中、つまりマキちゃんの元に集まった勢力が担ってたわ。これ、自然な流れだっわよね」
「はい…。吹子さんのおっしゃる通りです…」
荒子総長は間をおかず、これもキッパリだった
「…荒子、岩本・本郷ラインで南玉主導の都県境を揺さぶるアクションはもう起こっていたんだし、そうなれば再編成が避けられないことは火を見るより明らかだったよね。でも、それをわかっていながら、南玉も紅組も自分たちが王道を歩んでる意識から抜け出せないでいたのが、私からしたらもどかしくてね。それは大胆な変化を求められてることに躊躇してるように映ったわ」
これって、現在の南玉と紅組の抱えていた問題の核心だったんだろうね
ただし、昨日今日出来上がったものではないし、要は紅丸有紀の存在があって表立った動きの顕在化が押さえられたいたんだろうと思う
”そのこと”を含め、相川先輩もはっきり口に出して認め自省していたし、おそらくミキさんもその自覚は持っていたと思うよ
...
「…当然、県外のみんなも一緒だった。そこで、私は劇薬と承知の上で、ここはいっそのこと、早めに正面から思いっきりぶつかり合える状況に持って行った方がいいと考えたわ。変な言い方だけど、急がないとって…」
黒原さんの言った後段は、一体何を意味するんだろう…
この時の私にはよくわからなかんだけど、どこかもやっとしたイメージは浮かんだ
今ここで都県境の女性勢力がどしっと構える必要がある…
そんな感じだった
しかし、それは果たして何でとなるとその答えは見当たらなかったが…
なにしろ黒原さんは、南玉に大胆な”変化”を恐れない姿勢を強く迫ったんだ
その上で、然るべき再生を果たした南玉連合が改めて軸となる、新たな”体制”を希求していたんだろうね
...
「…マキちゃんからはさ、盛んに県外勢力の牽引役だった丈子ちゃんとの面通しを頼まれていたんで、この丈子ちゃんには女の子だけのチームやグループを作る機運が高まってはいるが、”ここ”の女の子たちは南玉でなくオポジション側に結集してることを”事実”として伝えた。その際、あえて他のことは何ら触れなかったわ」
やはりこの人は、岩本が波沢さんに遭えばどんな展開が生じるかを概ね承知していたようだわ
「…そしたら、是非会いたいということになってね。即、二人の会談をセットした。あとは流れに任せれば、猛る女たちは然るべき結果を導き出すと信じていたから。…まあ、岩本・本郷連合軍のやり口は確かに度を超えてたよ。やくざを使った卑劣な手段に出たマキと本郷麻衣には、後日ビシッと訓読を入れるつもりだ」
ふう…、この人、聞いてる以上に凄いや
是非、あの二人を説教する場面を見てみたいもんだよ(笑)
...
黒原さんは、ここで一息ついた
そして、やや表情を硬くしてから再び話し出した
「…だが、あそこまで激しくぶつかり合ったからこそ、皆が自分を問いただすことが出来たんじゃないか。それも、究極のところまでね。矢吹鷹美と湯本のあっこが南玉を出たって、猛る女の連帯はむしろ今までより強固になったと思えるんだ。…それはさ、今回ではみんなが自分にもしっかり向き合い、それぞれが歩む道を掴んだんだよ。横田さん、あなただってそうだろ?」
「…」
私、咄嗟には言葉が出なかった…
ケイコ
「とにかく今の都県境の少女たちはさ、南玉に旗を振られることだけでは、もう収まらなくなってたよ。でも今回、その猛る少女たちの受け皿は南玉ではなく、主にその南玉から弾かれた連中、つまりマキちゃんの元に集まった勢力が担ってたわ。これ、自然な流れだっわよね」
「はい…。吹子さんのおっしゃる通りです…」
荒子総長は間をおかず、これもキッパリだった
「…荒子、岩本・本郷ラインで南玉主導の都県境を揺さぶるアクションはもう起こっていたんだし、そうなれば再編成が避けられないことは火を見るより明らかだったよね。でも、それをわかっていながら、南玉も紅組も自分たちが王道を歩んでる意識から抜け出せないでいたのが、私からしたらもどかしくてね。それは大胆な変化を求められてることに躊躇してるように映ったわ」
これって、現在の南玉と紅組の抱えていた問題の核心だったんだろうね
ただし、昨日今日出来上がったものではないし、要は紅丸有紀の存在があって表立った動きの顕在化が押さえられたいたんだろうと思う
”そのこと”を含め、相川先輩もはっきり口に出して認め自省していたし、おそらくミキさんもその自覚は持っていたと思うよ
...
「…当然、県外のみんなも一緒だった。そこで、私は劇薬と承知の上で、ここはいっそのこと、早めに正面から思いっきりぶつかり合える状況に持って行った方がいいと考えたわ。変な言い方だけど、急がないとって…」
黒原さんの言った後段は、一体何を意味するんだろう…
この時の私にはよくわからなかんだけど、どこかもやっとしたイメージは浮かんだ
今ここで都県境の女性勢力がどしっと構える必要がある…
そんな感じだった
しかし、それは果たして何でとなるとその答えは見当たらなかったが…
なにしろ黒原さんは、南玉に大胆な”変化”を恐れない姿勢を強く迫ったんだ
その上で、然るべき再生を果たした南玉連合が改めて軸となる、新たな”体制”を希求していたんだろうね
...
「…マキちゃんからはさ、盛んに県外勢力の牽引役だった丈子ちゃんとの面通しを頼まれていたんで、この丈子ちゃんには女の子だけのチームやグループを作る機運が高まってはいるが、”ここ”の女の子たちは南玉でなくオポジション側に結集してることを”事実”として伝えた。その際、あえて他のことは何ら触れなかったわ」
やはりこの人は、岩本が波沢さんに遭えばどんな展開が生じるかを概ね承知していたようだわ
「…そしたら、是非会いたいということになってね。即、二人の会談をセットした。あとは流れに任せれば、猛る女たちは然るべき結果を導き出すと信じていたから。…まあ、岩本・本郷連合軍のやり口は確かに度を超えてたよ。やくざを使った卑劣な手段に出たマキと本郷麻衣には、後日ビシッと訓読を入れるつもりだ」
ふう…、この人、聞いてる以上に凄いや
是非、あの二人を説教する場面を見てみたいもんだよ(笑)
...
黒原さんは、ここで一息ついた
そして、やや表情を硬くしてから再び話し出した
「…だが、あそこまで激しくぶつかり合ったからこそ、皆が自分を問いただすことが出来たんじゃないか。それも、究極のところまでね。矢吹鷹美と湯本のあっこが南玉を出たって、猛る女の連帯はむしろ今までより強固になったと思えるんだ。…それはさ、今回ではみんなが自分にもしっかり向き合い、それぞれが歩む道を掴んだんだよ。横田さん、あなただってそうだろ?」
「…」
私、咄嗟には言葉が出なかった…