転生したら伯爵令嬢でした(ただし婚約者殺しの嫌疑付き)。容疑を晴らすため、イケメン年下騎士と偽装恋愛を始めます!
13
(バール男爵とシモーヌ夫人を殺したのは、ドニ殿下だった……)
硬直する私を見て、ドニ殿下は怪訝に思われたようだった。
「モニク嬢、どうされました?」
「いいえ、何でも……」
私は、慌ててかぶりを振った。殿下は、アンバーのように私を殺すことはしなかった。つまり、私が目撃していたことは、ご存じないのだろう。だとすれば、そのことに気付かれてはならない。
「それより殿下、大丈夫でいらっしゃいますか? 手当てをされませんと」
「このくらい、何ともありませんよ」
「でも、菌が入ってはまずいですわ……。どうぞ、屋敷へお戻りください」
素知らぬ風を装って、私は殿下を邸内へと案内した。そして、すぐにコレットを呼んだ。
「何でございましょうか?」
コレットは、元気良くやって来たが、殿下を見たとたん、ふっと顔色を変えた。
「何か?」
ドニ殿下は、首をかしげられた。コレットが、慌てたようにかぶりを振る。
「い、いいえ……!」
「殿下のお手当てを頼めるかしら? トピアリーの枝で、お怪我をなさったのよ」
「もちろんでございます」
動揺したのは一瞬で、コレットは手際良く処置をしてくれた。
「はい、これでおしまいです。応急処置ですので、後は、お医者様に診ていただいた方がよろしいかと思いますわ」
「ありがとう。長居をした上、世話になりましたね」
殿下が、にこやかにお礼を述べられる。とんでもありません、と私とコレットはお答えした。
「では、お送りいたしますわね」
ドニ殿下をお連れして、屋敷を出る。玄関を出た所で、私はわざと立ち止まった。殿下が、不思議そうにこちらを振り返る。
「……あの、殿下。鷹狩りのことなのですけれど」
ためらっている風を装いながら、私はぼそぼそと告げた。
「アルベール様は、きっと他の女性を誘われるおつもりでしょう。何だか、待つのも馬鹿らしくなってきましたの。……それで、思い直しました。殿下、私をパートナーにしていただけますか」
硬直する私を見て、ドニ殿下は怪訝に思われたようだった。
「モニク嬢、どうされました?」
「いいえ、何でも……」
私は、慌ててかぶりを振った。殿下は、アンバーのように私を殺すことはしなかった。つまり、私が目撃していたことは、ご存じないのだろう。だとすれば、そのことに気付かれてはならない。
「それより殿下、大丈夫でいらっしゃいますか? 手当てをされませんと」
「このくらい、何ともありませんよ」
「でも、菌が入ってはまずいですわ……。どうぞ、屋敷へお戻りください」
素知らぬ風を装って、私は殿下を邸内へと案内した。そして、すぐにコレットを呼んだ。
「何でございましょうか?」
コレットは、元気良くやって来たが、殿下を見たとたん、ふっと顔色を変えた。
「何か?」
ドニ殿下は、首をかしげられた。コレットが、慌てたようにかぶりを振る。
「い、いいえ……!」
「殿下のお手当てを頼めるかしら? トピアリーの枝で、お怪我をなさったのよ」
「もちろんでございます」
動揺したのは一瞬で、コレットは手際良く処置をしてくれた。
「はい、これでおしまいです。応急処置ですので、後は、お医者様に診ていただいた方がよろしいかと思いますわ」
「ありがとう。長居をした上、世話になりましたね」
殿下が、にこやかにお礼を述べられる。とんでもありません、と私とコレットはお答えした。
「では、お送りいたしますわね」
ドニ殿下をお連れして、屋敷を出る。玄関を出た所で、私はわざと立ち止まった。殿下が、不思議そうにこちらを振り返る。
「……あの、殿下。鷹狩りのことなのですけれど」
ためらっている風を装いながら、私はぼそぼそと告げた。
「アルベール様は、きっと他の女性を誘われるおつもりでしょう。何だか、待つのも馬鹿らしくなってきましたの。……それで、思い直しました。殿下、私をパートナーにしていただけますか」