イケメンは好きだけど近づかないでください!
3.イケメンが近い



「優ー!今日も見に行かないのー?」

『やめとくーこれ以上はきっと
夜道に気を付けないといけなくなる』

「あっそーじゃ私は行くねー!」

『はいよ!!まったく冷たいんだから!!』

「ごめんごめんっ じゃまた明日ね!」

『ん、ばいばーい!』



ここ数日、先輩に会うことはなくなった

もちろん見かければ

ガン見するのは変わらない



会えていない、

話しかけていただけていないのは

少しだけ寂しかったりはするけれど

心臓に悪いアクションは何もないので

数か月前のように心が穏やかだ



『もっと調子乗って写真1枚くらい
撮らせてもらえば良かったかなー』



私の独り言が誰もいない教室に響く



『ま、いっか』



切り替えの早さは自分で自分を褒めたい



靴を履き替えて帰ろうそすれば

体育館から歓声が聞こえる

あーいま先輩が試合でもしてるのかなー

…いや、そもそもあの人がいるだけで

悲鳴の嵐だったわ


やっべ、土砂降りじゃん

折り畳み持ってきたっけ!?

鞄を漁ればどこにもない

仕方がないので澪のところへと向かう



「あれ、結局来たんだ」

『ちがうちがう、
ねぇ傘2本持ってたりしない?』

「あー置き傘あるからこれ使っていいよ」

『まじ助かる!じゃ』

「せっかくなら見ていきなよ。
あんたいればまた話せるかもだし」

『…正直なとこ好きだけど残念ながら
そんな役割できるような仲じゃないの』



じゃあね!と言い体育館を出る

なるべく先輩の存在を

見ないようにしていたけど

同じ体育館という酸素を吸えたから

それだけで私は満足

我ながらキモイな…と思いながら

借りた傘を使わせていただき帰路につく


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