イケメンは好きだけど近づかないでください!



あれから、毎日…とまでは言わないけど

2日に数回はやり取りをしている


内容はしょうもない話ばかり

授業でふざけすぎて先生に怒られた、とか

力作ができた!と画伯な絵が来たり

つい、笑みが零れる毎日だ

実は連絡くるのが楽しみになったりして



『いやでもこれは違うからね!?』



バンッと両手でテーブルを叩く



「ちょっと、零れちゃうでしょ」

『あ、すみません』



今日は澪が家に遊びに来ていた

時期はもう夏

ただいま夏休み初日です



『ふ、ふふふっ』

「…ちょっとキモイよ」

『あぁ、やっぱり?自覚はある』

「あるんかい」



なんだかんだ連絡のやり取りが楽しくて

起きたらなんて来てるのかなーとか

わくわくしている自分がいるのは

もう自覚済みなのだ



「なんか、幸せそうな顔してんね」

『あたりまえじゃん?』



なんてたってあの憧れの秋月先輩と

連絡とってんだよ?

喜ばない女子がいるなら見てみたいわ



「…なんか私が言いたいこと伝わってなさそうだけど」



盛大なため息をつかれるが

言わんとしてることはわかっている


私もわかっているが

本当にわからないのだ

これはちゃんとそういう感情が入ってるのか

…いかんせんお顔が強すぎて



「あれから会ってるの?」

『会ってるの?は語弊がありそう。
ちょいちょい出くわすことはあるけど…
前に生意気な口きいちゃったから
面と向かって会うの怖くて…あはは…』

「会いたくないの?」

『…』



会いたくないのかと問われれば

…まぁ、会いたいけど



『キャパオーバーしそうだから、
私はこれ見れば十分』



画面を見せれば



「結局あんたもトリミングしたのかよwww」



映っているのは私を切り取った

秋月先輩だけの写真



『面と向かって会うと色々しんどくなるから
今は、スマホで見るくらいでちょうどいい』



スマホに移る秋月先輩を隅々まで穴が開くほど見る

…よく考えたら

こんな可愛い顔して口悪いとこ

ギャップだよな



「どんだけ見てるの」

『ハァー…会いたくないけど会いてー』

「その感情わかるー!」

『でしょでしょ!?』



とりあえず久々に

他のイケメン供給をしようと

澪と色んなジャンルの

イケメン鑑賞会をして1日が終わった


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