人肉病
「どうする? 地下室も確認してみる?」


もしも誰かが隠れているとすれば、地下室の可能性が高い。
日本の家に地下室があるという認識は薄いから、攻撃されてもここへ逃げ込めばやり過ごすこともできるだろう。

少し考えたのち、私達はそれぞれバッドを握りしめて地下室への階段を降り始めていた。
電気をつけても薄暗いその空間は肌を撫でる空気すらも気持ち悪く感じられる。
階段をすべて降りきった先にあったのは重たそうな扉だった。

両手でその扉を押し開いてみると、鍵はかかっておらず意外にも簡単に開くことができた。
扉はとても分厚くて、外の音は少しも入ってこないだろう。
圭太が先に室内へ足を踏み入れて、壁を探る。

入り口の付近にあるスイッチを押すと真っ暗な室内がパッと照らし出された。
そこは10畳ほどのコンクリートの部屋で段ボール箱や不要になった子供用のおもちゃなどが積み上げられている。
その右手の壁を確認してみると、見知らぬ男がテツパイプに両手を繋がれた状態でうなだれているのが見えた。
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