私の担当医。~2~

3.進展


それから
病棟での入院は避けられたものの
海斗の部屋で痛み止めの点滴を入れられたり
喘息もでることが増え薬も増えた。

部屋から出ることも海斗の許可がないと
出させてもらえなかった。

こんなの管理じゃない。


毎朝、海斗の診察で顔合わせるくらいで
昼も帰ってこなければ晩も遅い

なんのために治療してるのかだんだんわからなくなってきた

海斗のため?
私のため?

毎朝
透析透析透析。
聞き飽きた。

やる気はもうない

12:45

...ガチャ
「すず。飯食った?」

久しぶりに昼に帰ってきた。

「...」

デートを強制終了させられた日から
ちゃんと話す気になれない

朝、また背中が痛みが強くなって点滴を繋がれていた。

ベッドから動けないし
ご飯も食べる気にならない

「飯食いにいくか」

「行かない」

「じゃなんか頼むか」

「いらない」

「昼から透析室の見学に行く。
だから体力つけて欲しい」

は?
今なんて言った?

急にそんなこと言われても

「...行くわけないじゃん」

独り言が出てしまった

「え?なんて」

「だから!
行くわけないでしょ。
なんで勝手に決めてくるの。
私の体なの。ほっといてよ。
透析なんかやらないったらやらない
何回言ったらわかんの。」

私に聞かずになんでも決めてきて。
私の意思は?

やってること
あいつ...

あいつとまるで一緒じゃない

...ブチッ

「おい!」

繋がってた点滴を抜いて
点滴スタンドを倒して
部屋を出た。
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