S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
「鼻歌なんか歌っちゃって、完全に浮かれきってるわね」
あきれた顔で柾樹を出迎えたのは姉の唄菜だ。浮かれているのは事実なので別に否定する気もない。今はなにを言われようと笑顔で受け止めてやれる。
「ま、私も媚び媚びのお嬢さまたちが義妹になるよりはうれしいけどね。懐かしいなぁ、和葉ちゃん!」
和葉が屋敷にいた当時、唄菜はもう中学生だった。だから、一緒に過ごした時間はそう多くはないはずだが、彼女は活発な自分と似たところのある和葉をかわいがっていた。
「和葉は覚えていないから、おかしなこと言うなよ」
「わかってるって!」
応接間には茶が用意されていて、ウキウキした様子の寧々が待ち構えていた。
「じゃ~ん」
寧々は得意げに手にしている菓子箱を柾樹に見せつける。
「春虎堂のどら焼きよ。和葉ちゃん、大好きだったわよね。記憶は失っていても、味の好みはきっと変わっていないでしょう」
唄菜も寧々も、和葉が柾樹の妻になることを心から喜んでくれている。柾樹にとっては、心強い援護射撃となりそうだ。
ほうじ茶をすすりながら、唄菜は軽く眉をひそめる。
「でもさぁ、ちょっとこの結婚は強引すぎるんじゃないの? 和葉ちゃんちの弱みにつけ込んでいるようなものじゃないの」
「うっ……」
あきれた顔で柾樹を出迎えたのは姉の唄菜だ。浮かれているのは事実なので別に否定する気もない。今はなにを言われようと笑顔で受け止めてやれる。
「ま、私も媚び媚びのお嬢さまたちが義妹になるよりはうれしいけどね。懐かしいなぁ、和葉ちゃん!」
和葉が屋敷にいた当時、唄菜はもう中学生だった。だから、一緒に過ごした時間はそう多くはないはずだが、彼女は活発な自分と似たところのある和葉をかわいがっていた。
「和葉は覚えていないから、おかしなこと言うなよ」
「わかってるって!」
応接間には茶が用意されていて、ウキウキした様子の寧々が待ち構えていた。
「じゃ~ん」
寧々は得意げに手にしている菓子箱を柾樹に見せつける。
「春虎堂のどら焼きよ。和葉ちゃん、大好きだったわよね。記憶は失っていても、味の好みはきっと変わっていないでしょう」
唄菜も寧々も、和葉が柾樹の妻になることを心から喜んでくれている。柾樹にとっては、心強い援護射撃となりそうだ。
ほうじ茶をすすりながら、唄菜は軽く眉をひそめる。
「でもさぁ、ちょっとこの結婚は強引すぎるんじゃないの? 和葉ちゃんちの弱みにつけ込んでいるようなものじゃないの」
「うっ……」