二次元に妻を奪われたくないスパダリ夫は、壮大すぎる溺愛計画を実行する

プロローグ……?

「ねえ……拓人……」

「何よ、急に。気持ち悪い声出して」

「どうして僕の香澄はあんなに可愛いんだと思う?」

「はあああああ!? エロい顔して何考えてるのかと思えば……! 公害だからそんなこと、絶対外で考えるんじゃないわよ! 死人が出る」

「……ねえ……たっくん……」

「…………今度は何よ…………」

「僕の香澄は、いつになったら二次元を捨ててくれるのだろうか」

「はあああああ!? あり得ないから。むしろ捨てさせないから。バカ言ってないで、香澄に嫌われないように生活態度、言動すべて見直しなさいよ」

 そんなこんなで、元クズ男兼歩く公害の芹沢涼は、人生でこんなに悩んだことは1度たりともない……!
 そう、自信を持って言えるほど、本気で悩みまくっていたのだ。


 この世の何よりも愛する奥さんが、自分以外の何かに夢中になっている、という事実に。
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