キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─

馬鹿で最低な神様

頼side




「おい……、なんか不審者が登校してきたんだけど…」


「カンナ…?なにがあったんだよお前…」


「おいおい、怖すぎだろまじで」



サングラス、マスク。

顔をほとんど隠してしまう、そんな格好で教室に入ってきたひとり。


それは文化祭が終わった連休明けのことだった。



「おい右手と右足揃ってるぞ…!どうした!?」


「オハヨウで、ゴザイマス」


「………ロボット?」



テキパキ、ガシャン、テキパキ。

背筋をピンっと伸ばして、まっすぐ歩いては止まって角度を変えてから、また歩き出す。


だよね、ロボットだよね。

俺へのメッセージと電話も数日前からあんな感じだから、ほんと困ってる。



「おはよ、カンナ」


「…………」


「あれ?カンナ?」


「…………」



机のそばまで来ると、リュックを下ろして姿勢よくピシッと着席。

そしてなぜか俺に対する返事はまったくナシだと。


どんな顔してるか見たいってのに、サングラスとマスクがいい感じに邪魔をしてくれる。



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