キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─




「よ、頼くん」


「ん?」


「……今日、一緒にかえ───」


「なあ御堂!良かったら合コン来ねえ?」



放課後。

もう少しで転校ならば当たって砕けろ精神で誘ってみるが、他の声に消されてしまう。



「合コン?」


「そうそう!こっち余っててさ、穴埋めっつーか、なんだったらカンナも一緒でいーし!」


「おっ、俺そんなの行かないよ…!」



頼くん、頼くんもだよね?
そーいうの興味ないもんね?

わたしだけが居ればいいって言ってくれてた。



「じゃあ俺、行こっかな」


「…え、」


「まじ!?よっしゃあ!来週の金曜な!また教えるわ!」


「はいよー」



合コンというのは、合同コンパの略だ。

男の子と女の子が同じ人数集められて、ワイワイきゃぴきゃぴと戯れるアレ。


出会いのためにあるようなもので、恋人探しにあるようなものだと。


ずっとずっと前になーちんは言っていた。



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