キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─




『“カンナのことは必ず俺が守ります”って、“今は男になってますけど、女の子としても必ず笑顔にしてみせます”って』


「え…?」


『そう、言ってくれたのよ』



ほら、もう。

はいもう頭のなかオール御堂 頼。


意地悪な頼くん、微笑む頼くん、楽しそうに笑う頼くん、甘い顔な頼くん、ちょっと切なそうな頼くん。



『あの瞬間にもう、大丈夫ねって安心したわお母さん。だってカンナには御堂くんが居るんだから』



お母さんわたしもね、いつだってそう思って過ごしてたんだよ。

頼くんがいれば本当に平気で、怖いものなんか何もなくて不安も消えたんだ。



「頼くん……!!!」



西口のラニーズ。

放課後になれば学校終わりの高校生たち御用達であるファミレスだ。


アクセル全開で走ってきたわたしは勢いよく店内に入り、大声で叫ぶ。



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