廻った世界で,また君と恋を紡ぐ。
タッタッタと洗面所とリビングを行き来する音が響く。
お母さんが呆れたように
「もう充分でしょ」
と諌めるように口にすると,その足音はぴっと止まった。
「だぁって! 何か忘れてたら勿体ないでしょ?!」
不思議なくらいの高揚感,私は片手でピンの位置を確認しながら唇を尽き出す。
「でも紅葉,そうは言ってももうすぐなんじゃな~い?」
朝から棒アイスを食べるお姉ちゃんは,椅子の背を傾けて私に言った。
と同時にチャイムが鳴る。
「あ,ほらね」
……流石,高峯さんの彼女。
私はすっとお姉ちゃんを横目で捉え,パタパタと玄関へ向かった。