静かなる躾
シンセサイザーの夜



 雨が軽快に音を奏でる。ばちばち、叩き付けるそれが嫌に耳にこびりつく。私はそれをかき消したくてラジオをつける。

 あぁ、やめておけばよかった。


《今晩初めの一曲はswanky trashで──


 私はそこでラジオを止めた。街鳴りはswanky trash、略してスワトラ、こいつらで溢れかえっている。

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