鬼上司に恋しました〜本当の、恋を教えてくれたのはあなたです
そして、忘れてならないのが、経理課をまとめる鬼束課長だ。
冷たい表情から出る鋭い目つきと乱暴な話し方で恐れられているが、頼られるとなんだかんだ面倒見のいい強面のイケオジで、あちこちで慕われている。
例えば、大小路主任にお持ち帰りされる作戦が失敗した月次締め日。どこの部署も通常業務に加えての月次締め作業は、猫の手も借りたいほど忙しい。そこに、内線電話。
ただでさえ恐ろしい形相が、眉間にシワを寄せ更に恐ろしくなり、課の気温が下がった気がするほど鬼の形相で怒鳴っていた。
「こっちだって人手が足りないんだよ。能無しの集まりか?他部署に応援要請するな」
ガチャンと響く受話器を置く音に、皆が肩をすくめる。
怖い、怖い…
この場から逃げ出したいと思っていたら、課長から声がかかる。
「高木行けそうか?行けるなら中村と、棚卸しの手伝いに行ってこい」
「大丈夫です。小野田さん、データ入力終わったので、後、お願いします」
高木さんが、私をおいてサッと出て行くので、「私も行ってきます」と、嫌になっていた作業から逃げたのだ。
課長の男気は、男女共に慕われているらしく、マゾっけ女子がキャーキャーと騒いでいることを知る。