千秋先生は極甘彼氏。
た、食べられちゃうかも…
オスを醸し出すオーラに下腹部がキュンキュンする。いつもと違う瞳、顔つき。それなのにどうにでもして欲しいとか思ってしまう。千秋先生になら、めちゃくちゃにされてもいいなんて。自分にこんなドエムの心があるなんて知らなかった。
「……ネモフィラみたい」
千秋先生は買ったばかりの下着を優しく撫でながら感嘆の声を漏らした。彼の言う通りネモフィラのような綺麗な青の下着だ。大人っぽいデザインなのにレースがとても繊細で可愛い。上品な女性がつけそうな、彼の隣に似合いそうな上品さがある。もちろんショーツも揃いで買った。
「……ネモフィラの花言葉、知ってる?」
「…知らない」
ベッドのヘッドライトの灯りはほんのりとしたオレンジ色。彼の表情が影になり、陰影のせいかさらに艶っぽく見える。その顔を見上げながら首を小さく横に振ればシーツの擦れる音が静かな寝室に響いた。
彼が私を覗き込む。キシリとベッドが軋んで頭が沈んだ。
「“可憐”だよ」
「…かれん」
「果穂にピッタリの花」
千秋先生の目にはあんな風に私が映ってるの…?
ドキドキと胸の高鳴りが止まない。
トロトロとした瞳が甘えるように名を呼んだ。
「果穂」
宝物を愛でるような声色に目頭が熱くなった。ただ呼ばれただけなのに心が震える。彼の気持ちがこれ以上ないぐらい伝わってきて胸が苦しかった。
「勇気をだしてくれてありがとう」
溢れてきた涙が目尻から溢れる。耳を濡らしたそれを彼の指が壊れものに触れるように拭ってくれた。
「果穂は俺を喜ばせる天才だ」
次から次へと溢れる涙のせいで千秋先生の表情がぼやけてしまう。それでも彼が愛おしそうに私を見つめてくれている様子がありありとわかった。
煩わしそうにTシャツを脱ぎ捨てた彼に壊れ物を抱くように優しく抱きしめられた。知らなかった彼の体温に包まれて息を殺す。肌が密着して彼の鼓動と私の鼓動が混ざり合いその音が溶けあった。
「おかげで俺はすごく幸せ」
「……っ、私こそ、」
「きっと俺には負けるよ」
トクトクと混ざり合った心音が肌を伝う。まつ毛の先が震えて視線が少し下を向いた。わずかに開いた唇が様子を伺いながら私の唇に重なる。目を閉じて受け入れる。離れていく唇を見つめていると角度を変えてもう一度触れ合った。