BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー

ここは学校だから最低限貞操は守られるはず、なんて私の考えが甘かった。

ズルズルと引きづられるままどこかの教室に連れ込まれていく。


涙がジワリと浮かんできた。


嵐たちに誘拐されたときだって涙は出なかったのに。


ナイフを突きつけられても、手錠をされても、目隠しをされても。

ここまでの恐怖を感じなかったのは、どこか彼らが紳士的でまったく乱暴でなかったから。



そのとき

背後から、声がした。



「俺の客になにしてくれてんの」




地の底から沸き上がるような、

それはそれは冷たく、不機嫌な声だった。


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