BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
あれから数日経っても、頭の中は嵐でいっぱいだった。
どうしてこんなに嵐のことが気になるんだろう。
危険だと分かっているのに、近づきたくなってしまう。
こんなにも人を引き付ける魅力はなんなのか。
人に無関心な私の心をこんなにも惑わすその原因は……。
だったら確かめたい。
危うい魅力をまとった嵐は、本当に毒、なのか──
チラリと窓の外に目を向ければ、わずかに見える情報科の校舎。
こんなに近くにいるのに、視聴覚室を使うのが月1ということは、あと1ヵ月待たないと嵐には会えないってことだ。
だったら。
私が会いに行けばいいんじゃない──?
「しかもこのあと委員会とか泣くーーーー」
……チャンスだと思った。