BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー

麻美とは以前からたまに放課後残って一緒に勉強をすることがあって。

そういう日は迎えに来ている柳田に連絡すれば、いつもの時間に学校を出なくても問題ない。


外には遊びに行けなくても、私にとってせめてもの楽しい時間でもあった。


がっくりうなだれている麻美には悪いけど、ここは乗っからせてもらおう。


「麻美、待ってるからさ、委員会終わったら一緒に帰ろ?」


校門を出るまで、だけど。


「え、ほんとに? てか妃翠ちゃんはそれまで何してるの?」

「教室で課題やってる」

「わかった! 妃翠ちゃんが待っててくれるなら頑張ってくる!」


確実に学校の中にいると分かれば、柳田だって不審がることもない。


情報科だって同じ学校。そこに行くのは、別にいけないことなわけじゃない。

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