やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない
 今日が、シドニー・ハイパーと出会う日、だったの?
 でも、私の記憶では、シドニーと初めて会うのは食堂なんかじゃなくて……
 今回の出会いは前回とは変わったのかも知れないけれど。
 覚えているのは日付は第2週で、場所は選択した外国語教室だった……



 彼の顔を見たら、飛びかかるかも、はしなかった。 
 視線が合った様な気がして、慌てて顔を背けただけ。

 私は気が強いだけの小心者なので。
 実際は気持ちを行動に移せない。


 何せ相手は、学院内では王子様だ。


「だけど、あの人ちょっと格好良くない?」

「……そうかな? ジャ……」

 ガイモだよ、と続けたいのを黙る。


 学院にはシドニーのファンはたくさん居て。
 憧れの侯爵令息に、余計なことを言ってはいけない。

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