やる気ゼロ令嬢と時戻しの魔法士*努力しても選ばれなかった私は今度こそ間違えない

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 その夜は和解した従姉妹同士、積もる話もありますから、とモニカの部屋で眠ると言って、これまでのことと、これからの話をした。


 当主夫人の部屋から移って、と理由をつけたのは。
 誰も遺言書が存在すること等知らないのに、探すと言えないこと。
 それに、何が書かれていたか中身も分からないので、まずはモニカが手に入れてじっくり読むべきだと思ったのだ。


「じっくり読む、ってどうしてなの?
 遺言書なんだから、爵位とか財産とか、そんなのがリストになって書いてるだけでしょ」

「確かにそうなんだけど、この部屋から見つかった、ということは伯父様が伯母様に見せてる段階のものだろうし。
 第一に、弁護士には書いているとは話もしていなかったの。
 つまりまだ完成形ではなく、おふたりで話をしていた段階だった。
 財産なんて内容はおよそ決まっているのに、どうしておふたりは打ち合わせに時間を掛けていたのか気にならない?」

「私もどうして見つかったのが、お父様の部屋じゃないのか、気にはなってる」

「これも又聞きで、直接目にした訳じゃないけれど、貴女の遺書に気になることが書かれていて」
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