私の全てを盗んで、愛して

やっと見つけた

デタラメだったのか、ただのイタズラか。
考えるほど馬鹿らしくなってきた。
私も間に受けすぎだったのは、反省点だ。

「もう、寝よ」

そう言って布団に入り電気を消した。すると。

コンッコンッ。


扉が叩かれた。何事かと思い電気を付けると、閉めたはずの窓が空いていた。

(何で!?閉めたはずなのに!)


すると学校の時と同じく、後ろに気配を感じた私は振り返らず声相手が話すのを待っていた。

これは絶対、あいつだ。


「こんばんは、オネーサン」

「気軽にお姉さんなんて呼ばないで」

声を聞いて、いい声だということは認めないぞと私自身に言い聞かせた。

「あなた、私のこと知ってますよね。その上で聞きます。あなたは年上ですか?」

後ろからふっと笑い声が聞こえてくる。

「お見事です。と言っても、貴方と一歳差ですけれど。」

気付けば耳元で話しかけられていた。
低い声が少しくすぐったくて、ドキドキする。

「え、えっと、まず離れて貰っていいですか」

「えー、それは嫌ですねぇ」

そういうと、彼は私の腰を引きよせ、抱きつかれた状態になった。

「え!?は、離してください!」

「なんで離さなくちゃいけないんですか?」

私は何が何だか分からなくなってきて、一旦落ち着こうと、 話題を変えるよう試みる。

「えと、なんで、窓あけれたんですか?」

「え、まさか気づいてなかったの?」

何を言っているのかさっぱり分からなくて、更に混乱した。私が質問したのが間違いだった。

「窓、完全に締まりきってませんでしたよ?多分網戸で気づかなかったんでしょう」

こいつが入ってこれたのは、私の不十分のせいだった。そう聞くと一旦落ち着くことができた。

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