沼甘総長は、左手の薬指を独占したい
『当日の夜ね、バイトに入ることになっちゃって』
泣きそうな声を出すなよ。
どうにかしてあげたくなるじゃねーか。
「総長、今の聞いた?」
「今のって?」
「姫野さん、市の花火大会に行けなくなったみたいだね」
壮太、オマエも盗み聞きしてたのかよ。
可愛い可愛い言ってるもんな、姫野のこと。
「俺、姫野さんを誘っちゃおっかな?」
「壮太が? どこに?」
「デートだよ」
「えっ……マジ?」