【コミカライズ】竜騎士様の最愛花嫁
王宮図書館で、返却された本を書架に戻していると、若い女性の声が聞こえてきた。

「ねえねえ。今度、王都竜騎士団の師団長に英雄竜騎士様が就任されるらしいわよ」
「え? まだ若いわよね?」
「たしか、22歳。それで、今度の叙勲式で爵位も賜るんじゃないかって──」
「えー! 知り合いになれないかしら」

そちらを見ると、社交界デビューしたて──10代半ば位の貴族令嬢ふたりが盛り上がっている。

「図書館ではお静かにお願いします」

私は彼女達に近づくと、静かにするよう注意をする。
一瞬静まりかえったのも束の間、その場を離れるとまた背後から話し声が聞こえてきた。

「何あれ。感じわるっ」
「私、あの人知ってるわ。行き遅れの没落令嬢で、実家が借金まみれらだから貴族なのに働いているって──」
「あんなに地味で堅物じゃ、求婚なんてあるわけないわよ」

くすくす笑う声も。

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