LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
 瑶煌はきつい目でその後ろ姿を睨む。

 今までに見たことのない瑶煌の姿だった。

「店長……」

 不安げに呼びかけると、振り返って藍を見た。その(うつ)ろな瞳。

「あいつの言う通りだ」

 瑶煌は肩を落とした。

「君を守れなかった。それが事実だ」

 藍はどう答えたら良いのかわからなかった。

「お店の片付け、どうしましょう」

 そう言うのが精いっぱいだった。

「俺がやるから大丈夫だよ」

「私もやります」

「君は休んで、ゆっくりケガを治して」

「でも」

 そうするともう瑶煌に会えなくなってしまう気がする。

 直哉と瑠璃は来るだろうか。

 瑶煌一人で片付けるのだろうか。

「現場検証とかあるから、しばらく予定が立たない。いいから休んで」

 そこまで言われると、もう藍には反論できなかった。





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