LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜

57 藍の両親

「藍、大丈夫なの!?」

 突然、叫ぶようにして言いながら入って来たのは藍の母親だった。

 父親が黙ってついてくる。

「心配したわよ。どうしてこんなこと」

「お母さん、心配しすぎ。大丈夫よ。入院なんて大袈裟だったのよ」

 藍は体を起こす。

 誰が着せ替えたのか、病院のパジャマになっていた。看護師がやってくれたのだろうか。

「こんな目に遭って、かわいそうに。もう帰ってきなさい」

 母に抱きしめられて、藍は地元を思い出す。

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