LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
「そんな、まさか、だって……」

 だって、それなら店の中の誰かが書き込んだということになる。

 店長がそんなことするはずない。直哉も中清水さんもありえない。決して自分ではない。そもそもまだパソコンのパスワードも教えてもらってない。

 なら、残るのは……。

「日長さんと連絡はとっていますか?」

「いえ」

 塚田にきかれて否定する。あれ以来誰とも連絡とっていないし、誰にも会っていない。

「今、日長さんと連絡がとれなくなっているんですよ。自宅に伺っても不在で。今日の昼間までは連絡がとれていたのですが」

「なんで……」

 瑠璃ではなく、なんで直哉が?

「心当たりはないですか?」

「ないです。そもそも私、お店に入ったばかりで」

 うろたえる藍に、藍の入社日や直哉の直前の様子などをたずねる。

 聞かれるまま、正直に答える。

 直哉に不審なところは何もなかった。

 ちょっとやさぐれた感じにはなってしまっていたけど、だからといって強盗に手を貸すとは思えない。

「また何かあったら連絡ください」

 二人はそう言い残して去っていった。

 藍は引っ越しの準備が手につかなくなった。



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