LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜

4 抱きとめられて

 翌日、今日こそは、と藍は気合を入れた。

 うまくいきますように、とアクアマリンに祈る。

 空は彼女を応援するかのように青い。

 朝礼後、すぐに直哉は店を出る。

 瑶煌は工房に引っ込んだ。

 瑠璃と藍は無言で掃除を始める。

 いつもここを一人で掃除しているのか、と藍は感心した。広くない店内とはいえ、一人でやるのは大変だろう。しかしなぜあの二人は掃除をしないんだろう。掃除は女性の仕事、という人たちではなさそうなのに。

 疑問に答える者はいない。

 掃除をしたあと、藍は真珠コーナーの水を取り替えるためにコップを取り出した。

 そのとき。
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