LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
 そのトラックを見送って戻ると、がらんとした部屋が藍を出迎えた。

「こんなに広かったんだ」

 声がやけに響いて聞こえる。

 藍はため息をついた。

 あの騒動のおかげで完徹だ。

 眠気があるようなないような、不思議な感じがする。頭の奥がじんわりと重い。

 だけど、まだ眠れない。

 右手は包帯を巻かれているうえ、痛いのでうまく使えない。

 左手を使い、残った荷物をスーツケースにぎゅうぎゅうに詰めこむ。

 最後の一つを除いて。

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