LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
「社長、ご子息はお店を再開するそうです」

「さすが私の息子だ」

 秘書の報告に、翡翠川巧(ひすいがわたくみ)は満足そうに答えた。

 多少の困難や反対などは乗り越えて行ってこそ。大きな困難であればなおのこと。彼は息子にそれを期待していた。

「まだ後継者としてお考えでらっしゃいますか」
「当然だ」

「血の繋がらないご子息であることに反対の声もありますが」

「古いなあ」

 つぶやいて、巧は顎を撫でる。

「血がつながらなくてもね、俺が育てた愛する息子なんだよ。もちろん、無能だったら跡継ぎになんて考えないけどね」

「失礼致しました」

 秘書は謝った。

「祝いの花でも贈るかな」

 誰に言うともなく、巧はつぶやいた。

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