LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜
 空は藍を応援するかのように晴れ渡っている。

 藍はアクアマリンを握りしめ、勇気だ、と心の中で念じていた。

 出勤してすぐ、瑠璃(るり)の顔を見るなり藍は頭をさげた。

「先日はもうしわけありませんでした!」

 瑠璃は気圧されて一歩下がる。

「な、何よ」

「酔っぱらって失礼なことを言いました。勉強不足で申し訳ありません。がんばります」

「――やめるならさっさとやめてよね」

 瑠璃がふてくされたように言う。

 前ならこの時点でへこんでいた。が、今日はなぜかやる気があふれて来る。

 瑠璃に認めてもらいたい。そしたらきっと、瑶煌も藍を一人前だと認めてくれるのではないだろうか。

 借りていた本を鞄から取り出し、事務所兼ロッカールームにいた瑶煌(たまき)に返しに行く。

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