デキるイケメン 二人の求愛   失恋直後のインテリアコーディネーターが選ぶのは!?
進む者たち
昨日も今日もキャンセル待ちがあったほど百貨店のカラーコーディネートが人気のようだ。キャンセルはでなかったのだが…

お客様のお話を聞いていると、新年の気持ちの切り替えにとか、今年はこの色でイメチェンなどとおっしゃる方が多い。

最後のお客様は完全に娯楽のようだった。国内有数の財閥である沖田財閥令嬢、早織さんと詩織さん。昨年お母様がカラーコーディネートを利用されて好評で、今年は大学生の双子のお嬢様がご利用だ。お二人がパワーストーンに詳しかったのでチャクラバランスの話になったりしてセラピーのようになったが構わない。彼女たちのお買い物の金銭感覚に自分の目を疑って、2日間限定のカラーコーディネーターの仕事は終了した。

百貨店からは夏にも、とまた言ってもらったが今年は玲ハウジングの仕事以外はセーブすることに決めているのでお断りして、1年後のお正月2日間の約束をする。

百貨店を出て‘マルゲリータ’を目指す。お店の名前…何だったっけ?久世さんというお名前は覚えているけどお店の名前がわからないなぁ…と思いながら裏道へ入った。

「こんばんは」
「いらっしゃい、夕月ちゃん。お疲れ様」
「マルゲリータを楽しみに2日間働きました」
「任せて。コート掛けてカウンターにどうぞ」

私はコートをハンガーに掛けると、前回と同じスツールに座った。

「スパークリングもお願いします」
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