育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました

プロローグ~私の宝物~

人には、守らなければいけないものがある。

人物であったり、物であったり、それは人によって様々だと思う。


「ママ、だっこ」


私にとっての守らなければならないものーー。
それは、今目の前で屈託のない笑顔で抱っこをせがんでいる、小さな命。


2年前、私はこの子を1人で産むことになった。

初めての出産で怖いことがたくさんあったけれど、産声を聞いた瞬間、今までの辛さも、これから待ち受けている不安もすべて吹き飛んでいった。

抱きしめた瞬間あたたかくて、でも、すぐに壊れてしまいそうなこの小さな命を、私は1人で守って行くと心に決めたの。


ーーあなたに出会うまでは。


美優(みゆ)のことも妃織(ひおり)のことも、全部俺に任せて欲しい」


そう言われた瞬間、私の中でのなにかが変わった。

これから先、すべてを1人で背負っていくものだと勝手に決めていたから……。


それでも、私のことも妃織のことも愛してくれると言ったあなたは、私にとって特別な存在。
それは、この先何十年と変ることはない。

私もあなたを、愛しているからーー。
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