育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました
妊娠をきっかけに心を入れ替えてくれるかと期待したけれど、その期待もあっけなく壊されてしまい、今は実家で両親と共に生活を送っている。

妃織を出産してからは近所に最近新しくできたカフェ店員として勤務しており、土日出勤必須のサービス業にとっては実家暮らしは本当にありがたい。そのおかげで私が仕事でいなくても妃織も寂しくないようだし、海斗と付き合っていたときよりも幸せだと感じていた。

今のところ彼氏候補になるような男性もいないし、しばらくはこの生活でいいと思っている。


「それじゃあ、遊びに行ってくるね。妃織、ばぁばに『行ってきます』して?」

「いってきます!!」


大げさにお辞儀をしている妃織を抱きかかえると、かぶっていた麦わら帽子がコロンっと床に落ちた。それを再度妃織の頭に乗っけると、母に手を振りながら私たちは玄関を出る。

今日は久しぶりに日曜日の休暇をもらっていて、妃織を連れて公園に出かける予定をしていた。
外は予報通りの真夏日で、7月下旬の太陽は容赦なく私たちを照り付けてくる。

3月で2歳になったばかりの妃織にとってもこの暑さは過酷なようで、暑さからか、すぐに抱っこを嫌がり始めた。


「妃織、暑いよね。近くにコンビニあるから、アイス食べる?」

「アイスたべゆ!!」
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