束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】

3. 切なる願い

 定例の洋輔の家で過ごす日。彩子と洋輔はソファーでまったりしながら会話をしていた。


「彩子、今週末は彩子の家に行っていい?」
「いいけど」
「明日の夜にそのまま彩子ん家行って、で、土曜はずっと一緒にいよう?」
「いいよ。でも洋輔疲れてない? 大丈夫? 洋輔の家のほうがよくない?」
「うん、それは大丈夫。まあ俺ん家でもいいんだけどさ。彩子を見送るのがやなんだよね」
「そうなの?」
「うん、淋しくなる……」

 どうやら洋輔はあれ以来、彩子にがっつりと心を開いたようだ。こうして甘えてくることが多くなった。

 そして彩子はそんな洋輔がかわいくてしかたがない。このかわいい男をずっとずっと守ってやりたいと思った。

「しょうがないなー。いいよ、金曜からうちおいで」
「ありがとう、彩子」
「ふふっ、最近の洋輔は甘えん坊だなー」
「うーん、彩子にだけ」

 そうして抱きついてくる洋輔を抱きしめ返せば、彩子の心はどうしようもなく満たされていった。
< 123 / 273 >

この作品をシェア

pagetop