束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 二人は毎日毎日ビデオ通話で顔を合わせた。

 話の内容は大したものではないが、だからこそ彩子はその時間が愛しかった。

 時にはもらった万年筆を使って手紙を送ったりもした。もちろん洋輔もそれに応えてくれた。


 イギリスに行っても洋輔は彩子を大事にしてくれたのだ。


 洋輔と離れ離れになったときには、すべてを失ってしまったような気さえしたが、変わらない洋輔の優しさに触れて、彩子は次第に元気を取り戻していった。



 そうして思っていたよりも穏やかに季節は移ろっていき、暦はいつの間にやら師走へと突入した。
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