束の間を超えて ～片想いする同僚兼友人に、片想いをした～ 【番外編追加済】

　彩子は洋輔にとって気の置けない友人で、頼りになる同僚だった。

　明るくて、気配り上手で、驚くほど優しい、そんな人。

　彩子の優しさは見せかけのそれではなくて、大きな愛で包み込んでくれるような、とても温かなものだった。


　彩子の隣はいつだって居心地がよくて、恋人がいないときにはいつも一緒にいた。たぶん、洋輔のほうが望んでそうしていた。


　洋輔がいつも前を向いていられたのは、大げさでもなんでもなくて彩子のおかげだった。

　生涯大事にしたい友だった。

　彩子とはずっとずっといい友人関係を築いていくのだとそう信じて疑わなかった。少なくともあのときまでは。