束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 それは青天の霹靂だった。彩子からあんなこと言われるとは思いもしなかった。

 付きあうか、だなんて。

(折戸は何を言って……?)

 何かの聞き間違いかと思った。すぐにはその言葉を理解できなかった。

 黙ったままの彩子に、必死にその意味を考え、ようやくそれを理解したとき、洋輔に訪れたのは大切なものを失うことへの恐怖だった。


 洋輔にとって恋人というのは永遠の存在ではなくて、ほんのひと時を過ごすだけの儚いものであった。彩子がそんな存在になるかと思えば、洋輔は恐ろしくてたまらなかった。洋輔にとって、彩子はそれほど、なくてはならない存在だったのだ。

(恋人なんかになって、折戸がいなくなるのは耐えられないな)

 彩子の言葉をなかったことにしたかった。ずっとそのままの関係でいるために。一緒にいられるように。
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