束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 二人きりになれば、彩子のそばを離れたくなくて、でも自分からは求められなくて、きゅっと繋いだ手を握りしめていた。

(帰したくない……)

 洋輔のそんな想いを察してくれたのだろうか、彩子のほうから歩み寄ってくれた。やっぱり彩子はいつだって優しかった。

 彩子の気が変わってしまうのが嫌で、さっさと連れ帰った。そのまま抱いてしまえば、自分の醜い感情をぶつけてしまいそうで、その日はただただ手を繋いで眠った。
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