束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 そうして交流会の打ち上げで、洋輔はその感情を爆発させそうになった。



 その日、酔っている小谷が心配で、洋輔は彼女に付き添っていた。

 大隆に連絡したからすぐに迎えにくるだろうが、それまでさすがに二人きりで待つのはまずい。人事の女性が一人いたが、彩子と待つからと言ってすでに帰した。

 彩子を先に帰すという選択肢は最初からなかった。打ち上げで他の男と楽しそうに話をする彩子に嫉妬していたせいだ。


 だが彩子は洋輔と小谷二人を置いて帰ろうとする。

(なんで平然と帰って……そんなの許さないっ)

 洋輔は衝動的に彩子の腕を掴んでいた。


 彩子の驚く表情に自分も驚いた。ほぼ無意識に怒りに任せてその腕を掴んでいたのだから。


 彩子に待ってほしいと言えば、彼女は素直に応じてくれた。小谷のことを気づかいさえする。その様子に洋輔はいたたまれない気持ちになった。

 一人自分の感情に混乱していれば、いつの間にやら大隆がやってきて小谷と二人で帰っていった。
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