束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
そうして一通り園内を回ったら、最後に遊園地の締めといえばという場所へやってきた。大きくそびえ立つそれを前にすると、やはり緊張せずにはいられない。スタッフに促されてゴンドラに乗り込めば、彩子と洋輔は向かいあうようにして座った。扉が閉まれば二人きりの閉ざされた空間に、さらに緊張が高まった。
「観覧車なんて久しぶりに乗った」
「そうなの?」
「うん。折戸は?」
「私はー、半年前に乗ったかな」
「意外と最近だね」
「うん。恵美とさ、仕事帰りにノリで観覧車に乗ったんだよね」
「あー、坂本さんと」
緊張でどうなることかと思ったが、洋輔が普通に話しだしたので、彩子もそれに倣った。
「そう。二人して互いを恋人に見立てて、写真撮って騒いでたよ。せっかくの観覧車なのに全然景色見ずに一周しちゃった」
「なんか想像できる。楽しそう。二人本当に仲いいよね」
「うん。だって恵美のこと好きだもん」
「ふふっ、そっか。折戸はすごいね」
「え?」
「そうやって素直に好きだって言えるのすごいと思う」
「そう?」
「うん。何だろうな。折戸は人のいいところをよく見てると思う。だからかな。折戸のそばにいると安心するんだよ。折戸から見る世界は優しいから」
「え、何それ。めっちゃ褒めるじゃん」
「思ったこと言っただけだよ。折戸は人を喜ばせる天才だから。俺も今日楽しいし」
面と向かってそんなことを言われれば照れてしまう。そもそも人を喜ばせるのが上手いのは洋輔のほうだ。今だって彩子をこんなにも喜ばせている。
「観覧車なんて久しぶりに乗った」
「そうなの?」
「うん。折戸は?」
「私はー、半年前に乗ったかな」
「意外と最近だね」
「うん。恵美とさ、仕事帰りにノリで観覧車に乗ったんだよね」
「あー、坂本さんと」
緊張でどうなることかと思ったが、洋輔が普通に話しだしたので、彩子もそれに倣った。
「そう。二人して互いを恋人に見立てて、写真撮って騒いでたよ。せっかくの観覧車なのに全然景色見ずに一周しちゃった」
「なんか想像できる。楽しそう。二人本当に仲いいよね」
「うん。だって恵美のこと好きだもん」
「ふふっ、そっか。折戸はすごいね」
「え?」
「そうやって素直に好きだって言えるのすごいと思う」
「そう?」
「うん。何だろうな。折戸は人のいいところをよく見てると思う。だからかな。折戸のそばにいると安心するんだよ。折戸から見る世界は優しいから」
「え、何それ。めっちゃ褒めるじゃん」
「思ったこと言っただけだよ。折戸は人を喜ばせる天才だから。俺も今日楽しいし」
面と向かってそんなことを言われれば照れてしまう。そもそも人を喜ばせるのが上手いのは洋輔のほうだ。今だって彩子をこんなにも喜ばせている。