束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
すると彩子が離れたことに気づいた洋輔は、上手くその集団をよけて後ろに下がり、彩子の横までやってきた。
「振り向いたらいなくてびっくりした」
「ごめん。人混みに紛れてしまった」
「ううん。すぐ気づかなくてごめん」
洋輔は申し訳なさそうな顔をしている。洋輔は悪くないし、そんなこと気にする必要ないのに、とそんなことを考えていれば……
彩子の右手は突然のぬくもりに包まれた。
驚いて確認すれば、彩子の右手に洋輔の左手が重なっている。ただ触れたのではない。しっかりと握られていた。
予期せぬ接触に彩子は驚きの表情を浮かべてしまった。洋輔を見れば彩子を見て微笑んでいる。どうするのが正解かわからなくて彩子も笑い返した。右手が気になって気になってしかたない。はぐれないようにそうしているのだろうが、意識せずにはいられなかった。
結局、外に出てもその手が離れることはなく、レストランに入るまでずっと繋ぎっぱなしだった。こんなにも彩子をドキドキさせるくせに、洋輔は平然としていて、それがなんだか少し悔しかった。
「振り向いたらいなくてびっくりした」
「ごめん。人混みに紛れてしまった」
「ううん。すぐ気づかなくてごめん」
洋輔は申し訳なさそうな顔をしている。洋輔は悪くないし、そんなこと気にする必要ないのに、とそんなことを考えていれば……
彩子の右手は突然のぬくもりに包まれた。
驚いて確認すれば、彩子の右手に洋輔の左手が重なっている。ただ触れたのではない。しっかりと握られていた。
予期せぬ接触に彩子は驚きの表情を浮かべてしまった。洋輔を見れば彩子を見て微笑んでいる。どうするのが正解かわからなくて彩子も笑い返した。右手が気になって気になってしかたない。はぐれないようにそうしているのだろうが、意識せずにはいられなかった。
結局、外に出てもその手が離れることはなく、レストランに入るまでずっと繋ぎっぱなしだった。こんなにも彩子をドキドキさせるくせに、洋輔は平然としていて、それがなんだか少し悔しかった。