束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】

2. 同僚で友人でそして……

「松藤、今ちょっといい?」
「折戸。いいよ。どうしたの?」
「うん、ちょっとこれについて意見欲しくて。松藤こういう分析詳しいでしょ」
「見して」

―――

 松藤洋輔(まつふじようすけ)
 彩子の同期で、彩子と同じく商品企画部に勤める社員だ。入社以来、彩子は彼と切磋琢磨し、共に仕事に励んできた。彩子にとって尊敬できる同僚だ。


 そんな彼はとにかくモテる。

 一八〇センチ近い身長に、整った顔立ち、その表情は少し甘さを含んでいて、まるで王子様のようだ。しかも見た目を裏切らぬ性格で、誰にでも優しく、話し上手とくればモテないわけがない。独身女性憧れの存在だ。

 そして憧れているのは女性だけでもない。洋輔は同性からも慕われていた。いつだって人の輪の中心にいるような人物だ。


 そんな人物だから、同期たちは、お前は営業部に行くべきなんじゃないか、とよく洋輔に詰め寄っている。きっと大きく貢献してくれるに違いない。

 だが洋輔は商品企画部においてもとても優秀だった。企画立案はさることながら、マーケティングにおいてもその才能をいかんなく発揮している。今はプロジェクトのリーダーも任されていた。


 彩子にとっても憧れといえる存在だった。
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