ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。


「秋野さんは誰ですか?」
「私?昔から好きなのは松島浩一かな」
「渋いですねぇ。加賀美さんは?」
「えっ」


 どうしよう、なんて答えたらいいだろう?


「わ、私あんまり最近の芸能人知らなくて」


 咄嗟に誤魔化すことしかできなかった。
 今は「陽生日華です」って言えない。だって本当に好きだってバレてしまいそうだから……。

 推しにガチ恋してる痛い女って思われてもいいのだけれど、今は日華さんにとって本気で大事な時だ。少しでもリスクになることは避けたいし、邪魔したくない。


「ドラマはよく観るんですけどね」
「あーあれ面白かったよね。陽生日華が出てたやつ」


 今度は麦茶を吹き出しそうになった。


「わかります〜!!陽生さん最高にイケメンだったぁ。ぶっちゃけ結婚するなら陽生さんみたいな人ですよね〜!」


 春日井さんの言葉に咽せそうになるのを必死に堪える。


「オトナのフェロモンって感じだしぃ。一回抱かれてみたいなぁって思いません?」
「……。」
「加賀美さん?なんか顔赤くないですか?」
「そっそんなことないです……っ!それより、そろそろ昼休み終わっちゃうから戻りましょう!」


 これ以上この話題は危険すぎる……!!


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