ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
「すごーい!」
「ぴょんぴょんしないの!お行儀良くして」
「はーーい」
「ははは、元気だね星來ちゃんは。何が食べたい?」
「はんばーーぐ!」
「ハンバーグか。材料あったかな」
冷蔵庫を開けて中身を物色する日華さん。
「挽肉があった」と取り出し、他にも使えそうなものをいくつか取り出す。
意外にも冷蔵庫の中身は充実しているようだ。
「……料理されるんですか?」
「ああ、3年前くらいから始めたんだ」
3年前か――。
「と言っても毎日ではないけどね。たまに家事代行サービスとかもお願いしてるんだけど、今日は急に来れなくなってしまったみたいで」
「そうなんですか」
「だからお弁当も兼ねて色々作ってもらおうと買い溜めた食材がいっぱいあるんだ。
ハンバーグ、楽しみにしてて」
「はんばーぐ!はんばーぐ!」
「あの、私も何かお手伝いを……」
「大丈夫!座ってていいよ」
そう言われましても、落ち着かないんですが……。
しかし星來を一人でほっとくわけにもいかないので、お言葉に甘えて星來のお絵描きに付き合って待つことにした。
お手洗いを借りる時、和室に仏壇があるのが目に入る。仏壇には優しそうなおじいさんとおばあさんの写真が飾られていた。
「あの、あれって」
「祖父と祖母のだよ」