ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。
本当に生きづらい世界だ……。
本来俺は芸能界なんて向いていない。それでもここまでやって来れたのは、周りの人たちに支えられていたからだ。
とにかく一刻も早く社長と話すため、その日の撮影は巻きで終わらせた。
終わった足でそのまま事務所へ向かう。既に水川くんからある程度の話はしてもらっていた。
社長は、何というだろうか……。
「失礼します」
社長室に入ると、既に社長と金城さんが待っていた。
「お疲れ、日華」
俺の所属事務所・ネプチューンの代表取締役・海王院社長はまだ40代という若手の社長だ。
元はミュージシャンで、長髪にピアスという一見すると社長に見えないが、この事務所を立ち上げて一代で人気タレントを何人も排出してきた実績があるすごい人でもある。
社長はとても柔和な笑顔を浮かべていたが、その隣の金城さんはとても険しい表情だった。
「話は聞いてるよ」
「社長……」
「まさか日華に隠し子がいたとはね〜」
緊迫した空気を壊すかの如く、社長は面白そうに笑っていた。
「……隠していたわけじゃないです。俺も知りませんでした」
「だが、彼女はお前からも隠していたんだ。隠し子であることに変わりはない」
そう言ったのは、金城さんだ。