ミステリアスなイケメン俳優は秘密の妻と娘を一生離さない。


 思わず感情的になってしまった。あまり感情的にならない自分が、声を荒げてしまった。
 いくら金城さんでも、どうしても許せなかった。


「酷いと思われようが、当然のことをしたまでだ」

「なんで……っ」

「日華、お前は事務所の商品なんだ。俳優・陽生日華を売り出しているのは事務所なんだ。
その商品に傷がつくことから守って何が悪い?」

「……っ!」

「冷たいと思うか?だからなんだ?
お前もそれを承知でこの世界に足を踏み入れたんだろう」


 ……金城さんの言うことは、間違っていない。
 頭ではわかっている。それでも心はついていかない。


「日華、もっと自覚しろ。お前はもうネプチューンの看板なんだぞ」

「でも、俺はあかりしか考えられない。子どもの父親が俺である以上、俺には責任があります」

「日華!!」

「絶対に迷惑はかけません。今すぐじゃなくてもいい、どうか認めてください」


 社長と金城さんに向かって、深々と頭を下げる。
 お世話になった恩を仇で返すことになっても、この愛を貫き通したい。そのためなら何でもやる覚悟はできている。


「――わかったよ、日華」


 声をあげたのは、それまで黙っていた社長だった。


「社長!?」

「但し、条件がある」


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