孤高のエリート社長は契約花嫁への愛が溢れて止まらない
 どうにか体をずらして彼の下から抜け出る。ごろりと横向きになったその人は、私の体に手を回したまますうすうと寝息を立てていた。

「……え?」

 あっけに取られながら、どうにか上半身を起こす。扉の方を振り返ると、秘書の男性が神妙な顔で頷いていた。

「あの、これはいったい」

 自分の腰に絡みついたまま寝入っているベンチャー企業の社長を指さして見せると、社長に負けず劣らず男前な秘書の男性は、嬉しそうに微笑んだ。

「よかった。遊佐(ゆさ)ひかりさん、合格です」










< 5 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop